江口ゆういちろうって、こんな医師
このたび、令和2年4月1日より医療法人ロコメディカルの副理事長に就任しました。 私は、当院の副理事長として"実家の病院"へ帰ってきました。 これまで、たくさんの方々にお世話になりましたが、改めて自己紹介させていただきます。
私は医師として26年間に渡り、大学病院のみで消化器内科、とくに肝臓病の診療および研究、医学教育に従事してきました。 中でも、佐賀県に非常に多いC型肝炎やB型肝炎といったウイルス性肝疾患や細菌、肥満や糖尿病などの生活習慣病の増加と共に増えてきた非アルコール性脂肪肝炎(NASH/ナッシュ)の診療に長年関わってきました。 さらに、国際的な新薬開発やウイルス性肝疾患やNASHの疫学から治療法などの臨床研究にも携わってきました。これらの成果は、国内外の全国放送でも紹介いただき、とてもよい思い出となりました。 このたび私の父が理事長を務める医療法人ロコメディカルに副理事長として戻り、医師・医学研究者として、これまで国内外を舞台に大学の研究職、教育職として医療に携わってきた経験をもとに地域のみなさんに還元すべく地域の医療、介護、健康増進、健康寿命延伸に全力で貢献したいと考えております。 法人内には新しく「ロコメディカル総合研究所」を設立し、これまでセンター長としてお世話になった佐賀大学医学部肝疾患センターとも連携しながら、厚生労働科学研究などによる地域医療や肝疾患に関わる医療従事者の活動の質の向上のための研究、臨床研究にも取り組んでいきたいと思います。
江口ゆういちろうのプロフィール
写真1)日晴れ(旧病院北側の久本集落の天満宮にて) 写真2)久留米市信愛幼稚園園庭にて母と 写真3)山領、江口医院にて祖母と 江口 ゆういちろう 昭和44年(1969)11月8日生/B型 父/尚久(当法人 理事長) 母/みすず(故人)。3人兄妹の長男として福岡県久留米市で生まれる。 現在、佐賀県小城市三日月町在住(父、妻、子(女4、男1)、うさぎ、亀、熱帯魚と同居)。
【趣味】
大学時代は、馬術部の主将(写真4)。アウトドア全般、旅行(航空機パイロットを目指していました(写真5)、 自然と親しむこと、今しかできないことをやること。
【座右の銘】
「禍福はあざなえる縄の如し」=災いと幸福は、縄のように表裏を成しているので、 代わる代わるやってくるものだ、という意味の諺
【学歴】
昭和63年、長崎県の青雲学園中学校・高等学校を卒業(11期生)、平成6年、佐賀医科大学卒業(11期生)。 医師6年目から約4年間、埼玉医科大学に国内留学。
医師になってから何をしていたの?
平成6年に佐賀医科大学内科講座に入局し、平成10年4月から埼玉医科大学消化器・肝臓内科助手(劇症肝炎および肝移植で有名な藤原研司教授・持田智教授に師事)へ国内留学し、たくさんの臨床経験や基礎研究を行いました。平成13年10月から佐賀医科大学内科学講座助手(堺隆弘教授に師事)、平成22年1月から同総合診療部講師(小泉俊三教授に師事)として勤務しました。そして平成24年1月(当時42歳)に佐賀県の肝がん死亡率全国1位という汚名を返上するための一大プロジェクトの総責任者として、佐賀大学医学部肝疾患医療支援学教授に就任し同時に、附属病院肝疾患センター長を併任し、平成28年より同附属病院肝疾患センター特任教授に就任しました。またその間は、佐賀県の多くの関係者の皆さんのご指導、ご協力の元で当時話題にもなったタレントのはなわさんによる肝炎啓発のテレビCMや全国、佐賀のテレビ、ラジオ、新聞などで様々な啓発活動や情報発信を行ってきました。
平成28~29年には、国立国際医療研究センター肝炎情報センターセンター長補佐、平成29年から現在も佐賀産業保健総合支援センター相談員、平成30年からは国立感染症研究所客員研究員も併任しています。
令和元年10月にようやく佐賀県知事より肝がん粗死亡率が全国ワースト1位を返上したことが発表され、当初に与えられた私の使命が果たせたと考え、令和2年3月で特任教授を退任し、高校及び大学の後輩であり、これまで私の右腕として素晴らしい活躍をしてくれた高橋宏和現教授へ引き継ぎ、同年4月に医療法人ロコメディカル副理事長およびロコメディカル総合研究所所長に就任しました。
どんな研究をしているの?
1. ウイルス性肝疾患
2. 非アルコール性脂肪性肝疾患の疫学研究、他の臓器との関連性の研究
3. 肝疾患の管理・マネジメント
4. 医療従事者の活動の質の向上
どんな資格をもっているの?
●医学博士(非アルコール性脂肪性肝疾患と内臓脂肪の関連についての臨床研究 )
●日本内科学会認定医
●日本消化器病学会専門医 ・ 指導医 ・ 学会評議員
●日本肝臓学会専門医 ・ 指導医 ・ 学会評議員
●日本消化器内視鏡学会専門医 ・ 指導医
●日本医師会認定産業医
●国土交通交通省航空身体検査指定医
●両立支援コーディネーター など
ほか、自動車普通免許をはじめ、 スキューバダイビング資格、1級小型船舶免許、船舶無線免許、 航空無線免許も持っています!
学術的な経歴は?
まず業績として、学会発表については国内外200回以上、論文は、和文67本、英文145本、講演は、国内外において500回以上行いました。また、厚生労働省による科学研究事業の研究代表者としては、難治性疾患等政策研究事業「臓器移植における選択肢提示のあり方班(平成28〜30年度)」、肝炎等克服緊急事業 「コーディネーター班(平成29年〜令和元年度)」や肝炎等克服研究事業「コーディネーター活動評価班(令和2年〜)」があります。分担研究者では、肝炎等克服緊急事業、日本医療開発研究機構(AMED)、エイズ対策政策研究事業、労災疾病臨床研究など、多数行っています。新薬を開発する臨床試験などでは、C型肝炎抗ウイルス薬、肝細胞癌分子標的薬やNASH治療薬など多数の治験実施施設責任医師を担当しました。製薬企業アドバイザーとしては、C型肝炎抗ウイルス薬開発、NASH治療薬開発などに関わってきました。中でも、当初から責任医師のひとりとして開発に携わってきたC型肝炎の内服薬は、現在全国で最も多く使われている治療薬となりました。また未だに開発されていない非アルコール性脂肪肝炎の治療薬として、江口病院で行った治療の効果は、世界で最初の報告となり、その薬剤の改良薬が非アルコール性脂肪肝炎のアメリカやヨーロッパ、アジア諸国での世界共同開発に繋がり、効果が期待されていることは、臨床医学者として大変、光栄なことです。
受賞歴としては、最も多く読まれ引用された研究論文に贈られる平成20年、27年 Journal of Gastro enterology 誌 High citation賞、平成30年Hepatology Research Highcitation賞を頂戴し、平成28年には非アルコール性脂肪肝炎の研究で大和証券研究助成、平成29年には地域の肝炎対策の研究でウイルス肝炎研究財団研究奨励を頂戴しました。平成30年ミクス「勧めたい講演ランキング」全国1位(若手部門および全体部門)を頂戴し、感謝しています。
メディアや一般書籍では、NHK佐賀放送局やサガテレビのお昼と夕方の番組には、数え切れないくらい出演させていただきました。ほかにも、佐賀新聞では「ろんだん」の執筆を1年間させていただく機会もいただきました。全国放送では、NHK「チョイス@病気になったとき」は5回、「きょうの健康」、「ガッテン」(立川志の輔師匠は本当に素晴らしい方でした)、「NHKスペシャル」、「おはよう日本」、ラジオ日経「大人のラヂオ」などに出演するほか、学術的監修や書籍執筆なども多数経験させていただきました。厚生労働省の肝炎啓発シンポジウムとして、杉良太郎さん、ものまねのコロッケさん、AKB48の高橋みなみさんや歌手の伍代夏子さん、プロレスラーの小橋建太さん、スケートの清水宏保さんらとトークイベントをさせていただいたことは記憶に残っています。
医師としての社会貢献としては、4年前から地域医療における疾病対策やモンゴル国における肝炎対策(モンゴル国、保健省、ウランバートルロータリークラブと共同)を行っており、現在も継続して取り組んでいます。
これからは“地域医療”を全力で担っていく所存です。 みなさま、よろしくお願い申し上げます。